COLUMN コラム
導入失敗あるある10選:価格より“設計”でつまずく理由

なぜシミュレーションゴルフ導入は「価格を下げたのに失敗する」のか
シミュレーションゴルフの導入検討において、多くの事業者がまず注目するのは初期費用や機器価格ですが、実際の導入失敗事例を数多く見ていくと、「高かったから失敗した」のではなく「安く抑えたつもりが想定外のコストや機会損失が発生した」というケースが圧倒的に多いのが実情です。シミュレーションゴルフは機器を設置すれば終わりの設備投資ではなく、空間設計、運営設計、料金設計、集客設計が複雑に絡み合う事業モデルであり、価格はその中の一要素に過ぎません。にもかかわらず価格を起点に意思決定を行うと、導入後に「思っていた運営ができない」「稼働が伸びない」「想定より人手がかかる」といった問題が連鎖的に発生し、結果として修正コストが積み上がってしまいます。
導入失敗あるある① 打席数を増やせば売上も比例すると考えてしまう
限られた坪数の中で収益性を最大化しようとすると、どうしても打席数を増やす方向に思考が向きがちですが、この判断はシミュレーションゴルフにおいて典型的な失敗パターンの一つです。打席数を増やし過ぎると、隣席との距離が近くなり、スイング時の視線や音、空間的な圧迫感が生じやすくなります。利用者は無意識のうちに「落ち着かない」「集中できない」と感じ、滞在体験そのものの満足度が下がります。結果として一回あたりの利用単価が下がる、リピート率が低下する、会員化が進まないといった形で売上に跳ね返ってくるため、打席数の最大化が必ずしも売上最大化につながらない点を理解しておく必要があります。
導入失敗あるある② 天井高・奥行きを数値だけで判断してしまう
設計段階で「スペック上は設置可能」と判断してしまい、実際の体感を十分に検証しないまま導入してしまうケースも非常に多く見られます。天井高がわずかに足りないだけでも、利用者は無意識にスイングを抑制し、フルスイングできない違和感を覚えます。また奥行きが不足すると、打球初速や弾道計測に違和感が生じ、リアルさを売りにしたい施設ほど致命的な欠点になります。これらは数値上の要件を満たしていても、体感としての満足度が成立しない典型例であり、設計段階でのシミュレーション不足が原因です。
導入失敗あるある③ 防音設計を「最低限」で済ませてしまう
防音対策は初期費用を抑えたいときに削られやすい項目ですが、運営開始後に最も大きなリスクとなりやすい要素でもあります。シミュレーションゴルフは一発の音量だけでなく、連続して発生する打撃音が問題になりやすく、近隣からのクレームやテナントトラブルにつながる可能性があります。営業制限や営業時間短縮に追い込まれた場合、その影響は売上だけでなくブランドイメージにも及び、長期的な経営に大きな影響を与えます。防音は後付けが難しく、初期設計でどこまで想定できているかが重要です。
導入失敗あるある④ 料金設計が「売りたい価格」起点になっている
料金体系を考える際に、「この価格なら利益が出る」「競合より安い」といった視点だけで設計すると、実際の利用実態と乖離が生じやすくなります。例えば短時間利用が多い立地にもかかわらず長時間パック中心の料金設計にすると、空き時間が増え、打席稼働率が下がります。料金設計は価格を決める作業ではなく、利用時間帯や客層を想定した運営設計の一部であるという認識が不可欠です。
導入失敗あるある⑤ 無人運営を前提にしたが実際は人手が必要になる
無人運営による省人化を期待して導入したものの、実際には機器トラブル対応、清掃、会員対応、予約管理など想定外の業務が発生し、結局スタッフを配置せざるを得なくなるケースは非常に多く見られます。運営フローを具体的に想定せずに導入すると、現場負荷が積み重なり、利益を圧迫します。
導入失敗あるある⑥ 集客設計を後回しにして広告費が膨らむ
施設完成後に集客を考え始めると、Web広告やキャンペーンに依存せざるを得なくなり、費用対効果が合わなくなる傾向があります。集客は内装や料金と同時に設計すべき要素であり、後付けで修正するのは難しい領域です。
導入失敗あるある⑦ レッスン活用を曖昧にしたままスタートする
レッスンはシミュレーションゴルフとの相性が良く、顧客生涯価値(一人の顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの間に、どれだけの利益をもたらすかどうかの指標)向上に直結する要素ですが、プロ契約や時間割を曖昧にしたまま運営を始めると、結果的に活用されずに終わってしまいます。レッスンは付加価値ではなく、収益構造の一部として設計すべきです。
導入失敗あるある⑧ メンテナンスとサポート体制を軽視する
機器トラブルは必ず発生しますが、対応スピードが遅いと稼働停止が長引き、利用者満足度の低下につながります。保守体制は価格以上に重要な判断基準です。
導入失敗あるある⑨ 売上シミュレーションが楽観的すぎる
稼働率や会員数を理想値で見積もると、黒字化までの期間が想定より大幅に延びることになります。現実的な数字に基づいた設計が不可欠です。
導入失敗あるある⑩ 比較検討時に「設計思想」を見ていない
価格やスペックだけで比較すると、導入後に運営モデルとのミスマッチが発生しやすくなります。重要なのは、その価格やスペックのシミュレーションゴルフで運用・経営する際に、理想的な運営の立ち回りが出来るかどうかです。
価格ではなく「設計の完成度」が失敗を防ぐ最大の要因
シミュレーションゴルフ導入における失敗事例を振り返ると、その多くは機器性能や価格の優劣ではなく、導入前の設計段階での判断ミスに起因していることが分かります。打席数、天井高、動線、防音、料金体系、運営方法、集客導線といった要素は、それぞれ単独で考えるものではなく、すべてが連動して初めて一つの事業として成立します。価格だけを見て導入を決めてしまうと、これらの要素の整合性が取れず、「思ったより稼働しない」「人手が想定以上にかかる」「会員が定着しない」といった問題が後から顕在化します。
特に注意すべきなのは、導入時点では問題が見えにくい点です。営業開始直後は目新しさで一定の利用があっても、数か月後に稼働率が落ち始め、そこから原因を探っても設計そのものに問題がある場合、修正には多大なコストと時間がかかります。防音や天井高、打席配置などは後から簡単に変えられないため、初期設計の段階でどこまで具体的に運営イメージを描けているかが、その後の経営を大きく左右します。
また、成功している施設ほど「この機器を入れたい」ではなく、「どのような利用者に、どのような体験を、どの時間帯に提供し、どうやって収益を積み上げるのか」という視点から逆算して設計を行っています。その結果として機器やシステムを選定しているため、価格だけで比較することが少なく、長期的に見て安定した運営が可能になっています。
シミュレーションゴルフは、単なる設備投資ではなく、空間と体験を設計するビジネスです。導入を検討する際は、目先の初期費用や割引条件だけにとらわれず、自社の立地やターゲット、運営体制に本当に合った設計になっているかを冷静に見極めることが重要です。その視点を持つことが、導入失敗を避け、長く選ばれる施設をつくるための最大のポイントと言えるでしょう。
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