COLUMN コラム

ゴルフクラブは合計何本必要?種類はどれだけ?初心者でも失敗しない基本構成

ゴルフを始めたばかりの人にとって最もよくある疑問の一つが「クラブは合計で何本必要か?種類はどれだけ?」という問題です。
ゴルフのルール上では、1ラウンドで持ち運べるクラブは最大14本と定められていますが、必ずしもその本数を揃える必要はありません。
特に初心者のうちは、すべてのクラブを使いこなすのは現実的ではなく、むしろ本数を絞ってプレーするほうがスイングを安定させやすくなります。
最初からすべての番手を揃えても、使い分けが分からなければ宝の持ち腐れになるため、まずは用途と役割を理解し、必要最低限の構成でスタートするのが理想的です。
クラブの種類とその目的を正しく理解することで、ゴルフの難しさを減らし、上達への近道が見えてきます。

 ゴルフクラブの基本分類ウッド・アイアン・ユーティリティ・ウェッジ・パター

ゴルフクラブはその形状や打ち出す距離、目的によって大きく4種類に分類されます。
これらを理解することで、どの場面でどのクラブを使うべきかが明確になり、無駄な選択ミスや打数を減らすことにも繋がります。 

ウッド|ドライバーとフェアウェイウッドの違い

ウッド系のクラブは、ゴルフで最も飛距離を出すためのクラブ群で、特にドライバー(1W)はティーショット専用のクラブとして知られています。
ロフト角が小さく、シャフトが長いためヘッドスピードが上がりやすく、理論上最も飛距離が出る設計となっています。
しかしその反面、芯を外した場合には左右への大きなブレが生じやすく、特に初心者にとってはコントロールが難しいと感じることも少なくありません。
フェアウェイウッド(3W・5W・7Wなど)は芝の上からでも打つことができ、距離のある2打目やロングホールのセカンドショットで活躍します。
最近ではクラブ設計の進化により、より低重心・広スイートスポットのモデルが増えており、ミスへの許容度も向上しています。

アイアン|番手ごとの特徴と使い分け

アイアンはコントロール性能に優れ、グリーンを狙う中距離ショットやアプローチに最適なクラブです。
一般的には3番〜9番まであり、番手が小さいほどロフト角が小さく、距離が出やすくなります。とはいえ3番〜5番などのロングアイアンは難易度が高く、近年では代わりにユーティリティクラブを導入するゴルファーが増えています。アイアンは番手ごとに飛距離差が階段状に整備されていることが理想で、適切なクラブセッティングができていれば、様々な距離や状況に柔軟に対応することが可能です。
初心者にとっては、まずは7番〜9番のミドル〜ショートアイアンから始め、ミート率や方向性を重視して習得していくのが効果的です。

ユーティリティ|ウッドとアイアンの中間を担う万能クラブ

ユーティリティは、フェアウェイウッドとアイアンの中間的な性格を持ったクラブで、打ちやすさと距離の両立ができるのが特長です。
ヘッドが大きく、ボールが上がりやすいため、ロングアイアンの代用として多くのゴルファーが取り入れています。
フェアウェイやラフ、ティーショットなどあらゆる場面で使える万能クラブで、初心者でも比較的扱いやすい点が人気の理由です。

ウェッジ|得意距離を作る短距離クラブ

ウェッジはゴルフクラブの中でも精度が求められるクラブで、ピンそばに寄せるためのアプローチやバンカーショットで使用されます。
ピッチングウェッジ(PW)はおおよそ100〜110ヤードの距離で使われ、サンドウェッジ(SW)はバンカーショットだけでなく、70ヤード以内の短距離ショットに活躍します。
アプローチウェッジ(AW)やロブウェッジ(LW)はスピンを効かせて止めたい場面や、高く上げて柔らかく落としたいときに有効です。
ウェッジは飛距離の階段を細かく調整できるため、PW・AW・SW・LWと複数本を入れることで、得意距離の幅を広げられます。初心者はPWとSWの2本体制から始め、プレーに慣れてきたらAWやLWを追加する形が経済的かつ実用的です。 

パター|スコアを決める最後の1本

パターはグリーン上でボールをカップに入れるための唯一のクラブであり、スコアに直結する最も重要な1本です。
形状にはピン型、マレット型、ネオマレット型などがあり、見た目や重心バランスが異なります。ピン型は操作性に優れ、繊細なタッチを出したい上級者に好まれ、マレット型は安定感が高く、初心者や方向性重視のゴルファーに向いています。
実際に自分のストロークタイプや構え方に合ったものを選ぶことが非常に重要で、パター選びは「感覚との相性」が最も重視されるクラブです。
地味な存在に見えがちですが、1ラウンドで使う回数が最も多いクラブであることを考えると、ゴルフ上達の最短ルートは“パターを極めること”と言っても過言ではありません。 

初心者におすすめのクラブ構成|まずは7本からスタート

初心者にとって、最初から14本すべてを揃える必要はありません。
むしろ、少ない本数でスイングやクラブの特徴をしっかり体得してから本数を増やすほうが効率的です。
おすすめは以下の7本構成です。

  • ドライバー(1W) 
  • フェアウェイウッド(5W) 
  • 7番アイアン 
  • 9番アイアン 
  • ピッチングウェッジ(PW) 
  • サンドウェッジ(SW) 
  • パター 

この構成で100ヤードから250ヤードのショット、アプローチ、パッティングまでを一通りカバーできます。

クラブの選び方|シャフトの硬さと飛距離のバランス

クラブ選びの中で重要なのが、シャフトの硬さやクラブの重さです。
スイングスピードが速い人は硬めのシャフト(S、X)を使うことで余計なしなりを抑えられ、ミート率が上がります。
一方、スイングスピードが遅い人が硬いシャフトを使うと、インパクトのタイミングがズレてしまい、スライスなどのミスショットが頻発する原因となります。
初心者や非力な方には柔らかめのシャフト(R、L)がおすすめで、最近ではレディース向けのシャフトも非常に進化しています。
また、フィッティングによってスイングデータを元にクラブを選ぶことで、自分に合った一本を最短で見つけることができます。 

14本構成の考え方|飛距離の階段と役割の重なりを意識

クラブを14本に拡張する際には、飛距離の被りや無駄を避け、明確な役割分担がなされている構成を心掛けるべきです。
例えば、6番アイアンとユーティリティがほぼ同じ飛距離であれば、スイングしやすい方だけを残す選択も有効です。
また、ショートゲームに強くなるために、ウェッジを3〜4本揃える中上級者も増えています。
必要以上にロングクラブを揃えるよりも、よく使う距離帯に特化した構成のほうがスコアには直結します。
14本という上限を意識しつつ、コースや自分の傾向に応じたセッティングを構築することが重要です。 

最近のトレンドに合わせたおすすめ14本クラブ構成

最近(2025年時点)のゴルフクラブ14本の組み合わせトレンドは、個々のレベルやスタイルに合わせた「最適化」と、「ユーティリティや多様なウェッジでの細やかな調整」が特徴です。特に以下が顕著な流れです。 

ユーティリティ(UT)重視の傾向

  • ロングアイアン(3I、4I、5I)よりも、ユーティリティやショートウッドを組み込むプレーヤーが増加。 
  • これによって打ちやすさや飛距離の安定が得られるため、特にアマチュアや女性に人気です。 

ウェッジ本数の増加

  • 50度, 52度, 56度, 58度など、複数のウェッジでショートゲーム対策を強化する傾向。 
  • アプローチショットやバンカーショットで自信を持って選択できるよう、3~4本体制がトレンド。 

アイアンセットを減らして、その分で他のクラブを充実

  • 5I~9Iや6I~9Iなど、アイアンセットは5本程度とし、残った枠にユーティリティやウェッジを組み込む。

フェアウェイウッドは2本体制が一般的

  • 3W・5W(3番ウッド、5番ウッド)が定番だが、3Wのみ、または5Wと7Wの組み合わせも増えている現在のゴルフでは、「飛距離よりも実用性」「ユーティリティとウェッジ重視」の構成が主流になっています。

以下は中級者も視野に入れた、トレンドに即した14本構成の一例です。

  • ドライバー(1W) 
  • フェアウェイウッド(3W、5W) 
  • ユーティリティ(3U、4U、5U) 
  • アイアン(6I〜9I) 
  • ウェッジ(PW、AW、SW) 
  • パター 

ユーティリティを2本入れることでロングアイアンを省き、代わりに4本のウェッジを用意することでアプローチの精度が向上します。
これにより、飛距離差を滑らかにし、どんなコース状況でも柔軟に対応できる構成が完成します。 

初心者向けクラブ構成|タイプ別おすすめ3パターン

パターン①:7本のシンプル構成(ゴルフ入門者向け)

  • ドライバー 
  • 5W 
  • 7I 
  • 9I 
  • PW 
  • SW 
  • パター 

まずは必要最低限のクラブでラウンドを体験し、基本をしっかり習得できます。 

パターン②:10本構成(成長段階の中級初心者向け)

  • ドライバー 
  • 3W、5W 
  • 4U 
  • 7I、8I、9I 
  • PW、SW 
  • パター 

ユーティリティを加えてロングアイアンを省略し、飛距離の階段も滑らかに。 

パターン③:13~14本構成(本格的な上達を目指す人向け)

  • ドライバー 
  • 3W、5W 
  • 4U、5U 
  • 6I〜9I 
  • PW、AW、SW、LW 
  • パター 

将来的な上達を見据えた構成。どの状況にも対応でき、スコアメイクにも有利です。 

まとめ|自分に合ったクラブ選びがゴルフ上達の鍵

ゴルフクラブは単なる用具ではなく、プレーヤーのスイングやプレースタイルに適応するためのパートナーです。
最初からすべて揃えようとせず、自分に必要なクラブを厳選し、段階的に買い足していくアプローチが現実的かつ上達の近道です。
ウェッジやパターといった“地味だけど重要”なクラブの扱いこそがスコアに直結し、飛距離だけにこだわらないバランスの取れた構成が、安定したプレーを支えてくれます。
道具選びに迷ったときは、ショップでのフィッティングや試打を活用しながら、自分に合った1本を見つけてください。
そして、段階的に構成を整え、自信を持って14本を使いこなせるようになったとき、ゴルフの面白さは一層深まっていくはずです。